プロ野球・セリーグとパリーグの違いは?歴史やルールなど徹底解説!
プロ野球にはセリーグとパリーグの2リーグがありますが、この2つのリーグの違いは何でしょうか?
今回は「プロ野球・セリーグとパリーグの違い」を徹底解説!
- セリーグとパリーグの違い
- セリーグとパリーグが分かれた理由と歴史
- セリーグとパリーグの各所属球団
- セリーグとパリーグはどちらが人気?
など、セリーグとパリーグの気になる情報をまとめました♪
もくじ
セリーグとパリーグの違いは?
簡単にまとめると、セリーグとパリーグの違いは「ルール」と「取り組み」にあります。
一つずつ解説していきます!
パリーグには「DH制」がある
まずはセリーグとパリーグの「ルールの違い」です。
パリーグには「DH制」がありますが、セリーグにはありません。
「DH」とはDesignated Hitterの略で、日本語に訳すると「Designated=専門」「Hitter=打者」です。打撃専門選手という解釈がわかりやすいかと思います。
セリーグは投手も打席に立ちますが、パリーグでは投手の代わりにDH選手が打席に立ちます。
最近は交流戦や日本シリーズではパリーグが勝ち越しているため、「DH制で力の差が出るのでは?」や「セリーグでもDH制を導入するべき」といった意見も出ています。
巨人が何度かDH制導入の提案をしていることもあり、セリーグでは活発に議論されているようです。
過去にはパリーグ独自の取り組みもあった
最近はありませんが、過去にはパリーグ独自の取り組みもありました。
巨人や阪神といった人気球団を抱えていたセリーグに比べ、パリーグは大きな人気球団を抱えていなかったために人気向上・動員数増加を図る取り組みを積極的にしていたようです。
過去に行われていたパリーグ独自の取り組みは以下の4つです。
プレーオフ制度
レギュラーシーズンで1~3位に入ったチームがトーナメント形式で優勝を争うもので、現在はクライマックスシリーズ(CS)として両リーグで行われています。
予告先発制度
以前は当日の試合にどの投手が先発登板するかは公表されていませんでした。
しかし、それでは頻繁に球場で野球観戦をできないファンは好きな選手の試合を見ることが難しくなります。
そのためファンサービスの一環として、試合の前日までに翌日の試合の先発投手を発表する予告先発制度をパリーグが取り入れました。
現在ではセリーグでも取り入れられています。
マンデー・パリーグ
現在も月曜日はプロ野球はお休みですが、過去にはファン獲得のためにパリーグのみ月曜日に試合を行っていました。
当時は代わりに木曜日がお休みでした。
「ボールパーク」で地域密着型の経営
パリーグはセリーグほど人気のある球団がなかったため、「地域密着型」の経営に取り組むことで地元のファン獲得を目指しました。
例えばスタジアムを「ボールパーク」として周辺に娯楽施設を併設したりイベントを開催するなど、地域住民の憩いの場やレジャースポットとなるような取り組みを始めたのがパリーグ球団でした。
セリーグとパリーグが分かれた理由と歴史
実は日本のプロ野球は1949年までは「1リーグ8球団制」でした。
しかし1949年の終わりから1950年にかけて、球団数拡大を巡って既存球団が対立したことにより2リーグに分かれることとなりました。
戦前までは「学生の趣味」の延長と見られていたプロ野球ですが、戦後はGHQの政策も後押しし国民の数少ない娯楽として人気が急上昇。
これによりプロ野球に参入を希望する企業が増え、新規球団である毎日オリオンズ(現:千葉ロッテマリーンズ)の参入を巡って既存球団が賛成・反対で対立しました。
結果、当時の反対派球団がセリーグ・賛成派球団がパリーグとなり2リーグに分裂した形になりました。
ちなみにセリーグの正式名称は「セントラルリーグ」で「自分たちが正当な連盟球団であり、主流である」との由来があるそう…
対するパリーグは「パシフィックリーグ」といい、「日本のプロ野球を国内だけではなく、国際的なものにする」という意味を込めてパシフィック(太平洋)と付けたそうです…
ライバル心むき出しの命名ですね!
セリーグとパリーグの各所属球団
セリーグとパリーグの各所属球団は以下の通りです。
<セリーグ>
- 読売ジャイアンツ
- 阪神タイガース
- 中日ドラゴンズ
- 東京ヤクルトスワローズ
- 広島東洋カープ
- 横浜DeNAベイスターズ
<パリーグ>
- 北海道日本ハムファイターズ
- 東北楽天ゴールデンイーグルス
- 埼玉西武ライオンズ
- 千葉ロッテマリーンズ
- オリックスバファローズ
- ソフトバンクホークス
セリーグとパリーグはどちらが人気?
「人気のセ・実力のパ」と言われますが、実際にセリーグとパリーグはどちらが人気が高いのでしょうか?
今回は各リーグの「観客動員数」と「平均選手年俸」から比較してみました!
「観客動員数」は球団のファンの数、「平均選手年俸」は年俸の高い人気選手の多さと仮定して比較しています。
また、観客動員数については新型コロナウイルスの影響を除いて比較するため、2019年のデータをまとめてみました。
セリーグの観客動員数と平均選手年俸
2019年のセリーグ観客動員数は14,867,071人・1試合平均動員数は34,655人で、2021年の平均選手年俸は3,962万円でした。
各球団毎の観客動員数と平均選手年俸は以下の通りです。
球団 | 観客動員数 | 平均年俸 |
---|---|---|
巨人 | 3,027,682人 | 6,587万円 |
阪神 | 3,091,335人 | 2,886万円 |
中日 | 2,285,333人 | 3,364万円 |
横浜 | 2,283,524人 | 3,479万円 |
広島 | 2,223,619人 | 4,024万円 |
ヤクルト | 1,955,578人 | 3,632万円 |
パリーグの観客動員数と平均選手年俸
2019年のパリーグ観客動員数は11,669,891人・1試合平均動員数は27,203人で、2021年の平均選手年俸は4,381万円でした。
各球団毎の観客動員数と平均選手年俸は以下の通りです。
球団 | 観客動員数 | 平均年俸 |
---|---|---|
ソフトバンク | 2,656,182人 | 6,932万円 |
日本ハム | 1,970,516人 | 3,680万円 |
楽天 | 1,821,785人 | 5,887万円 |
西武 | 1,821,519人 | 4,114万円 |
オリックス | 1,733,998人 | 2,640万円 |
ロッテ | 1,665,891人 | 3,032万円 |
観客動員数はセリーグの方が多いですが平均選手年俸はパリーグの方が高いことがわかりました。
では、肝心の人気は?というと甲乙つけがたいところですね…。
しかしセリーグの巨人・広島は3軍(育成)の年俸が低い選手も抱えているため、年俸の平均を取ると低くなる傾向があるかと思われます。
まとめ:セパが分かれた理由はプロ野球再編問題
プロ野球セリーグとパリーグの違いについてのまとめは以上です。
何か理由があって分かれたのかと思いきや商業的な問題が絡んでいたとは驚きでした。
過去には各リーグで様々な違いがあったようですが、現在はDH制だけのようです。
しかしセリーグでもDH制導入については活発に議論されていますので、今後はその違いもなくなる可能性はありますね。