プロ野球「ポスティングシステム」とは?わかりやすく仕組みなど解説!

プロ野球選手がメジャーリーグに挑戦する時に使用する制度で「ポスティングシステム」というのがあります。

海外FA権との違いや仕組みなど気になりますよね。

今回は「ポスティングシステム」について徹底解説!

  • ポスティングシステムとは
  • ポスティングシステムの仕組み
  • ポスティングシステムと海外FAの違い
  • ポスティングシステムを利用した選手

などなど、気になる情報をまとめてみました。

ポスティングシステムとは

ポスティングシステムとは、主にFA権を持たない選手が海外リーグへの挑戦を希望した場合に所属球団が行使する権利です。

移籍を希望する選手が所属する球団が譲渡金を設定し、獲得意思のある海外球団が競争入札することで契約が可能になるため「入札制度」と呼ばれることもあります。

交渉がまとまった場合は、移籍希望選手が所属していた球団に譲渡金が支払われ契約が成立。

また交渉がまとまらなかった場合、移籍希望の選手は所属球団に残留することとなります。

ポスティングシステムの仕組み

ポスティングシステムは毎年11月1日~2月11日まで申請が可能です。

海外リーグへの移籍を希望する選手はこの期間内に所属球団に申し出をし、球団が認めた場合にポスティングシステムを利用することができます。

移籍を希望する選手の所属球団は交渉権の対価となる譲渡金(上限2000万ドル)を設定。NPBコミッショナーを通してMLBコミッショナーにその選手が契約可能であることを告知(ポスティング)します。

告知の翌日から30日間の交渉期間が設けられ、入札に参加するMLB全球団が契約交渉を行うことができます。

ポスティングシステムと海外FA権の違い

ポスティングシステムと海外FA権の違いは、交渉権がどちらにあるかです。

ポスティングシステムの交渉権は球団側にあり、海外FA権は選手個人に交渉権があります。

FA権は選手が所属球団との契約を解消し、他の球団と自由に契約を結ぶことができますが、ポスティングシステムは所属球団が認めなければ移籍が成立しません。

所属球団が認めた場合はFA権獲得を待たずに海外リーグに挑戦できるため、より早くメジャーに行きたい選手は球団に申請するようですね。

海外FA権については以下の記事で詳しくまとめているので、気になる方は読んでみてください!

【関連】プロ野球・FA権取得の条件とは?人的補償やプロテクト、ランクなど徹底解説!

ポスティングシステムを利用した日本人選手

これまで日本球界でポスティングシステムを利用し海外リーグに移籍した日本人選手をまとめてみました!

年度 選手 球団 落札球団
2000 イチロー オリックス シアトル・マリナーズ
2001 石井一久 ヤクルト ロサンゼルス・ドジャース
2003 大塚晶文 中日 サンディエゴ・パドレス
2004 中村紀洋 近鉄 ロサンゼルス・ドジャース
2005 森慎二 西武 タンパベイ・デビルレイズ
2006 松坂大輔 西武 ボストン・レッドソックス
2006 岩村明憲 ヤクルト タンパベイ・デビルレイズ
2006 井川慶 阪神 ニューヨーク・ヤンキース
2010 西岡剛 ロッテ ミネソタ・ツインズ
2011 青木宣親 ヤクルト ミルウォーキー・ブルワーズ
2011 ダルビッシュ有 日本ハム テキサス・レンジャーズ
2013 田中将大 楽天 ニューヨーク・ヤンキース
2015 前田健太 広島 ロサンゼルス・ドジャース
2017 大谷翔平 日本ハム ロサンゼルス・エンゼルス
2017 牧田和久 西武 サンディエゴ・パドレス
2018 菊池雄星 西武 シアトル・マリナーズ
2019 筒香嘉智 横浜 タンパベイ・レイズ
2019 山口俊 巨人 トロント・ブルージェイズ
2020 有原航平 日本ハム テキサス・レンジャーズ
2021 鈴木誠也 広島 シカゴ・カブス

まとめ:ポスティングシステムで海外リーグに移籍!

ポスティングシステムについてのまとめは以上です。

球団が認めれば海外FA権の取得を待たずに海外リーグに挑戦できるのは選手にとって良い事ですね。

しかし、ポスティングシステムの利用をなかなか認めない球団もあるのが現状のようです。